サンドアート集団SILT公式サイト
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サンドアートとは

「サンドアート」という分野は、いくつかの種類に分類されるため、一言で「サンドアート」と言っても、人によってイメージするものが異なります。

例えば、砂浜の砂でお城等を造形する「砂像(サンドスカルプチュアもしくはサンドスタチュー)」もサンドアートの一種です。

学校教育にも取りいれられている、糊の貼られたシートにマスキングして色砂をまぶして作る「砂絵(サンドペインティング)」もサンドアートの一種です。

瓶の中に色砂を敷き詰めて、その地層の模様で絵を描くのも「グラスサンドアート」もサンドアートの一種です。

バックライトでガラスの上の砂を照らし、オーバーヘッドでストップモーション撮影をする「砂アニメーション(サンドアニメーション)」もサンドアートの一種です。逆光に照らされた砂の陰影の濃淡だけで描かれた、階調の深さと粒子感が魅力な映像表現です。砂絵をストップモーション撮影して作られるアニメーション技法の一つです。

こちらがサンドアニメーションの映像です。
SILTが制作した「資生堂マジョリカマジョルカ」の広告映像です。SILTは、サンドアニメーションの映像制作も行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=9lNv8moK8zI

世界の伝統工芸や伝統芸能の多くにもサンドアートはございます。例えば、チベット仏教の「砂曼荼羅」は、色砂を用いて何週間もかけて曼荼羅を描きます。

日本にも古来より「盆石」というサンドアートの文化がございます。黒いお盆の上に、白い砂で自然の風景を描き、石を岩や山に見立て配置します。日本古来の縮景芸術の一つです。

日本には、1600年代に作れた、縦122メートル、横90メートル、周囲345メートルの巨大な砂絵「銭形砂絵」が今も香川県観音寺市に現存しています。テレビ映画「銭形平次」(大川橋蔵版)のタイトルバックにも使用されたことで有名です。

SILTは、社団法人みとよ青年会議所創立60周年記念祝賀会にて、サンドアートパフォーマンスで「銭形砂絵」を描くというご依頼を受け、パフォーマンスしております。

SILTが行っているサンドアートは、「サンドアートパフォーマンス」です。砂アニメーションから派生して誕生したこのアートは、砂アニメーションと同様に、逆光に照らされた砂の陰影の濃淡だけで描かれた、階調の深さと粒子感が魅力の映像表現です。ストップモーション撮影する砂アニメーションに対し、サンドアートパフォーマンスの場合は、ライブ(実写)撮影で、手や指や腕を用いて砂絵を描いていき、その砂絵をメタモルフォーゼさせ場面転換をし、一つのストーリーを作り上げてるパフォーマンスアートです。

時に「サンドアートパフォーマンス」も「サンドアニメーション」と呼ばれることがあり、混乱の元となっておりますが、アニメーションの定義は「フレーム・バイ・フレーム」(コマ撮り)であり、「サンドアートパフォーマンス」は正確にはアニメーションではありません。あくまで、「絵が変化していく様が、まるでアニメーションのようだ。」という印象があるだけです。

アスタナ万博でのSILTによるサンドアートパフォーマンス
アスタナ万博でのSILTによるサンドアートパフォーマンス

SILTのリーダーの船本恵太は、北海道の石狩市のビーチで開催された「ISHIKARI SAND FESTIVAL 2017」において、サンドアートパフォーマンス、砂アニメーション、砂像、砂絵、グラスサンドアート、5つのジャンルのサンドアートを総合的に行うという画期的な企画を提案し、砂像作家やグラスサンドアート作家も紹介し、アドバイザーとして参加しております。

さらに、「メ~テレ60周年内海砂まつり2022」の総合プロデューサーに船本恵太が就任。愛知県の内海海水浴場にて、サンドアートパフォーマンスライブ、サンドアート映像上映、砂像展示、砂像コンテスト、砂像ワークショップが開催されました。

サンドアートパフォーマンスの歴史について

サンドアートパフォーマンスの始まりは1996年、ハンガリーのフェレンク・カーコがパイオニアです。カーコは、元々はクレイアニメーション作家であり、その後にサンドアニメーション作家としても活躍し、世界最高峰の国際映画祭であるカンヌ映画祭等で賞を取り、世界最高峰の国際アニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭でも特集が組まれるほどの大作家です。

カーコが広島国際アニメーション映画祭で来日した際に、フェスティバルディレクターの木下小夜子さんが、「砂アニメーションをライブパフォーマンスでやってみたらどう?」というアイディアを出したことが発端となり、サンドアートパフォーマンスの歴史がはじまり、カーコは今でも小夜子に感謝しているとおっしゃられていると、伝え聞いています。ご本人らに直接聞いたわけではなく、真相はまだ分かりませんが、もしこれが本当のことだとしたら、サンドアートパフォーマンスの歴史の始まりに、日本が寄与していることになります。

世界三大アーティストは、フェレンク・カーコ(ハンガリー)、イラーナ・ヤハブ(イスラエル)、クセーニャ・シモノヴァ(ウクライナ)です。2008年からはじめたクセーニャ・シモノヴァは、テレビ番組『ゴット・タレント』に出演し番組で優勝。YouTubeにアップロードされたこのパフォーマンス映像は、全世界で5,000万以上の再生回数を記録し、サンドアートパフォーマンスの存在を世界に広く知らしめました。

東アジア圏では、キム・ハジュン(韓国)、荘明達(台湾)といったアーティストが活躍しております。

このように、サンドアートパフォーマンスはまだ27年しか歴史のない若い芸術分野です。世界的にもサンドアーティストの数はまだまだ少ないですが、年々その数は増えていっています。日本でサンドアーティストが誕生したのは2010年のことです。SILTは2012年2月に誕生しております。SILTの現メンバーと元SILTの独立したメンバーの総数は25名です。SILTは2012年4月に日本初となる教室を開校いたしました。教室の生徒の中から、3名がSILTのメンバーにもなりましたし、生徒の中から、仕事に繋がっていった者もいます。また、その後に、教室の生徒からSILTのメンバーとなり、SILTから独立した者も教室を開校いたしました。こうした歴史的背景から、日本においてサンドアーティストの数は増えていっております。日本において、サンドアートの需要はとても高く、一大事業へと発展していっており、社会の競争原理から年々その競争は激化し、その切磋琢磨から飛躍的に全体のクオリティが高まってきております。これから先の未来、日本のサンドアーティスト達が、ヨーロッパ勢にひけをとらないレベルまで、クオリティを高めていくことができればと、精進しております。ぜひ日本の皆様にも応援していただけたら幸いです。